金融庁が銀行のカードローンを集中検査

9月1日、金融庁から過剰融資が問題視されている銀行カードローンの実態を把握するため、集中的な検査を実施すると発表がありました。
今回特にカードローンの残高が多い十数行に立ち入り検査を実施するとのニュースが流れていました。

金融庁としてはマスメディアからの「過剰融資を煽るような営業推進体制になっているのではないか」「審査体制が不十分で過剰融資を防げる体制が構築されていないのではないか」というような指摘に対して確認していくようですが、実態を目にしてどのような対策をとるのか大いに気になるところです。

現状ほとんどの金融機関のカードローンの融資体制は、金融機関と保証会社がスクラムを組む構図となっています。金融機関はそのネームバリューと潤沢な広告宣伝費で集客し、保証会社がその審査と債務保証を行なうように組み込まれています。
保証会社が100%元本と未収利息を弁済してくれるのであれば、金融機関はたいした貸倒引当金を積むこともなく、審査も形式的な審査だけすれば良いのではと考えるのは当然のことです。保証会社も今のように経済や金融市場が安定しており、且つ金融緩和の状態で融資が伸びている時には、収益の伸び率が貸倒れ増加率を上回ることになります。
顧客は多くの金融機関から借入が可能な状態ですから、借入が可能な間は貸倒れ率が大きく増加することもないため、保証の承認率や保証額を押し上げることになったと考えられます。つまり双方にとって大きな問題もなく利益があがることから、今のように融資残高が積み上がってきたというわけです。

金融庁は今その流れを停めようとしているわけですが、その停め方については単純に全体の与信枠を締めるのではなく、個別の審査を強化するよう指導すべきではないかと思います。利用者のことを考えれば、銀行自体が個人信用情報も読み取り、正しい総債務額を把握するところから始めるべきではないでしょうか。
実際に重要な総借入額を正しく把握できている金融機関がどれほどあるでしょうか。現在金融機関が総債務額を把握しようとすると個信(KSC)とJICC情報の両方を取得しなければなりません。その情報の中には貸付債権の情報と保証債権の情報が混在しており、個信での貸付債権情報とJICC情報での保証債権情報、JICC情報の中でも貸付債権情報と保証債権情報が混在していますので、それらを精査して正しい債務額を把握する必要があります。そのうえで利用している債権の商品構成、借入時期、返済履歴や利用者のプロフィールを見て、総合的な判断で返済が可能かどうかの判断を下す必要があります。
一律に網を掛けるようなやり方で、急激な信用収縮を起こす策をとった場合は、利用者に混乱を招き、かえって支払遅延や自己破産者が増加することは、過去の施策で経験されていることと思いますので、懸命な判断を期待するものです。


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