個人信用情報活用第11回 JICC情報の利便性 その2

5-2.電話番号検索サービス「CRDB」


電話番号検索サービス「CRDB」では、電話番号を端末に入力することで、該当電話番号の「NTT電話帳情報」と「電話番号接続状況履歴情報」が照会できる。
 個人情報に対する認識に高まりから、個人の電話番号を電話帳に、掲載する割合は低くなっているものの、事業者がその電話番号を電話帳に公開しないケースは考えにくい。
したがって、事業用の電話が、電話帳に掲載されてないときは、それなりに注意が必要である。
また、「電話番号接続状況履歴」で、電話が正常に使用されているかどうか知ることは、審査対象者の信用を測るものさしのひとつになる。
特に、「都合不使用」の履歴が複数回ある顧客の場合、電話料金を未納にする傾向から、融資の返済にも問題が起こる可能性がある。
また、本人が申告した内容と電話の接続状況履歴がアンマッチの場合、たとえば、申告の業歴が長いにも係らず、最近まで、その電話番号が「不使用」であった場合は、申告内容そのものを疑う必要がある。
電話番号の接続状況については、固定電話のみならず、携帯電話番号もその対象となっており、その利用価値は高い。
 次の具体的な事例は、電話番号検索サービスを審査に活かしたものである。
申込書の申告が、会社員にも係らず、CRDBで照会された自宅電話番号の名義人が、法人と個人の両方で登録されていた場合、家族が自営業、もしくは、本人の前職が自営業であったケースも考えられる。
転職理由が、事業の経営不振であったりすると、隠れ負債がある可能性も視野に、審査を進める必要がある。

【図表9:CRDB照会】
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6-1.まとめ


 弊社が個人信用情報活用支援システムを提供していることから、ここ数年で、100あまりの金融機関の方とJICC情報について、話をする機会を得た。
 そこで、感じたのは、まだまだ、JICC情報の有用性について十分な認識を持っている方が金融機関には、少ないということだ。
 JICCが、貸金業者を中心に設立された個人信用情報機関で、もともと縁遠かったこと、その詳細情報が、金融機関に、開放されてまだ日が浅いということもあって、特に、経営層になればなるほどその認識度合いは低い。
 筆者は、長年に亘り消費者金融専業者において実務を経験してきたが、個人の信用リスク管理に、JICC情報を抜きにした状況は、想像すらできない。
 JICC情報が金融機関にもっと理解されることで、新たなJICC情報の活用の可能性が広がると考えている。
 先に記載したように、事業性融資の審査に、企業代表者の個人債務を把握する試みはその一例である。また、JICC情報を読み解くことで、そこに、該当者の借入のニーズも把握することができる。新商品、新サービスのアイデアが生まれる可能性もある。

 JICC情報を活用していくためには、JICC情報に本腰を入れて取り組むことが必要である。JICCへ加盟したものの、JICC情報の活用が、一部の商品や一部の情報の利用にとどまっている金融機関の話を聞くと、残念でならない。

 住宅ローン、事業性融資の低金利化が進む中、消費者ローンは、その利鞘が大きいことから、近年、金融機関で積極的に取り組まれつつある。
 そのような状況の中で、以下は、とある地域金融機関の経営層の方から伺ったつぶやきである。
「ここ数年、消費者ローンに本格的に取り組んできたが、振り返ってみると、自分たちには残高以外何も残っていないことに気がついた。本来であれば、顧客の電子データも蓄積され、審査ノウハウも蓄積されないといけなかったのだが…。」

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